金属アレルギー
金属アレルギーの原因

口の中に入れている銀歯や詰め物などの金属から溶け出した金属イオンが体内に吸収されることが原因でアレルギー反応が起こってしまいます。アレルギーの原因となる金属は、銀歯などに使用されているバラジウム合金が多いといわれていますが、人によって異なるため、検査が必要です。
金属アレルギー症状
よく見られるケースは、「口内炎が頻繁にできてしまう」「舌がピリッと痛い」といった口内炎や舌炎など、口腔内に炎症が生じることが多いです。そのほか、唇が赤く腫れ、ただれてしまう口唇炎や口角炎など、口の周りや顔面に症状が現れることも少なくありません。また、全身のさまざまな部位の皮膚にアトピー性皮膚炎のような発疹ができたり、手のひらや足の裏に水膨れが生じたりするケースもあります。場合によっては、頭痛やめまい、慢性的な肩凝り、脱毛などにつながることもあります。症状は大きく5種類に分類され、「アナフィラキシーショック」と「組織障害性反応」「免疫複合体反応」「細胞性免疫反応」「抗レセプター型アレルギー」があります。
金属アレルギーの治療
アレルギー反応の原因となっている金属や、それが使われている銀歯や詰め物などが特定できたら、まずは口の中から原因物質を完全に取り除くことから始めます。その上でレジンやセラミックなどの金属以外の仮の歯や詰め物を入れ、口腔内や全身に出ていた症状が改善するかを観察していきます。完治までに数カ月など時間がかかることも少なくないことから、定期的な通院が必要となるのが特徴です。症状の改善が確認できたら、仮の歯や詰め物を除去し、レジンやセラミックなどの金属以外の素材を慎重に選んだ上で修復していきます。なお、アトピー性皮膚炎のように発疹やかゆみがひどい場合、かゆみ止めなどの外用薬が処方されることもあります。
治療後の注意・予防
アレルギーを引き起こしていた金属を取り除いたとしても、すぐに症状が落ち着くわけではありません。完治までに数ヵ月ほどの時間がかかるため、歯科医院での定期的な検診が必要となります。また、再発防止に向けて、アレルギー反応を引き起こす金属に触れないようにするなど、日頃から注意をしなければいけません。